仁保耳鼻咽喉科医院 横浜市神奈川区台町,横浜駅 耳鼻咽喉科

耳(中耳炎・耳痛)

 

 

湿疹と耳痛

綿棒、耳かきなどを日常習慣的に使用していると湿疹ができ、強い耳痛が起こる事があります。
そこから細菌、真菌が検出されることも少なくありません。

60分間ベットに横になっていただき、消毒、抗菌、抗真菌薬注入などの治療をします。
疼痛、かゆみは、一回の治療でほとんどなくなります。

 

 

急性・難治性・反復性中耳炎

治療は初期の薬物だけで治るものを除いて、必ず切開廃膿を行います。
その上で抗菌薬を投与すると、7日以内に治癒します。
切開しない場合長引き、その間にぶり返す中耳炎のため痛みを繰り返し訴えることがあります。
反復性中耳炎のひとつのタイプです。

炎症がぶり返す中耳炎の他に、反復性中耳炎には新たな中耳炎に繰り返して罹る場合があります。

この場合中耳炎は幼児~小児の時に発生し、2~3年の間繰り返します。
中耳炎が治らない間に次の中耳炎に罹ると重症になるので、その度にきちんと治すことが必要です。

しかし何度鼓膜切開を繰り返しても1回1回治すと、鼓膜には全く痕跡が残りません。
一方原因となる鼻炎、副鼻腔炎の治療はしっかりしなければなりません。
アテノイドは必ずしも原因になりませんので、鼻炎、副鼻腔炎の治療をしっかり行うと切除しないで済みます。

滲出性中耳炎

治療法は、病気の原因をどう考えるかによってきまります。
滲出性中耳炎の一般的な治療法はアデノイド切除とチューブ鼓膜挿入ですが、この方法の根拠はこの中耳炎が鼓膜の内側の腔(中耳腔)の気圧の変化で発生したと考えているためです。

私は滲出性中耳炎は通常の中耳炎の一種であることを、1974年に論文発表(耳鼻咽喉科臨床)しました。
従って治療法は難治な中耳炎の治療法と同じです。

多くは鼓膜切開と鼻炎、副鼻腔炎の治療、有効な抗菌剤投与で早く治ります。
アデノイドの手術は行いません。

 

 

G.Y.(5歳)

1998年3月5日 初めて来院

2歳の時から両中耳炎を繰り返した。

2歳半の時滲出性中耳炎といわれたが、鼓膜切開は4歳の時1回受けただけだった。
2ヶ月前難聴のため、A大学を受診したところ、両慢性中耳炎と言われ、鼓膜チューブ挿入とアデノイド手術をすすめられた。

当院で、鼓膜切開と上顎洞洗浄、細菌検査に基づく抗菌薬投与、その後の耳菅通気などを行ったところ、正常に回復した。毎年受診し経過を観察しているが、中耳炎、副鼻腔炎の再発はない。

慢性化膿性中耳炎・真菌性中耳炎

耳漏の細菌検査によって有効な抗菌薬がわかると、それに基いて30~60分の消毒と抗菌薬、ブロー液注入療法を行います。
さらに必要に応じて手術療法も行います。

 

 

突発性難聴・メニエール病・耳鳴り・顔面神経麻痺

それぞれステロイド、メイロン点滴、内服薬投与などの薬物療法を行いますが、最も必要なことは医師との間の信頼関係です。
難聴と耳鳴り、顔面神経麻痺のステロイド治療の後やステロイドの副作用が強くステロイドを使えない時の代わりの治療としてビタミンB点滴は有効です。
症状が消失することが少なくありません。数年間治らなかった耳鳴りが消えたり気にならなくなることがありますので、あきらめないで試す価値があるでしょう。