仁保耳鼻咽喉科医院 横浜市神奈川区台町,横浜駅 耳鼻咽喉科

自由診療と処置

自由診療を行っている主な理由は、適切な処置を行うためです。
耳鼻科の多くの治療法の内、処置は大変大切なものです。処置を適切に行うと手術をしないでも治すことができる程の効果があります。しかし、現在の保険診療では多くの症例を診なければならないので、そのような処置を行っている時間がありません。
私は以前高校時代の元担任に頼まれて、断りきれずに、ある病院の耳鼻科で診療したことがあります。そのとき、私のところで行っているのと同じ方法で診療したところ、1時間の間に診ることができた症例は7,8人でした。沢山の人を診なければ
ならないところでは、時間がないなどのため、必要かつ十分な処置を行うことは難しいでしょう。体力のない幼児では、くり返したり、重症になることが多いので、特に処置は必要です。

 

①鼻、上顎洞の洗浄-1歳から可能

鼻と上顎洞の処置には、吸引と洗浄があります。吸引は十分行っても、洗浄に比べると効果は不十分です。洗浄、膿の細菌検査と抗菌薬感受性検査で調べた有効な抗菌薬の投与を併用すると、鼻炎と副鼻腔炎を短い期間で治すことができます。
鼻 漏と鼻閉が長引くと、鼻の炎症は中耳炎、反復性中耳炎、アデノイドの炎症を起こし咽頭、喉頭の炎症を起こす引き金になります。鼻で呼吸ができないと口で呼 吸するため、気管に病気が起こることもあります(気管支炎や肺炎)。病気が起こっているときには、これらの病気の治療のために洗浄は必要な治療ですが、い つも鼻呼吸が出来るようにしておくことは予防としても大切なことです。原因菌が強毒性(インフルエンザ菌、肺炎球菌など)であっても、洗浄すると多量の鼻 漏を早く失くすことができます。

昨年インフルエンザに、2週間の間をおいて2回罹った4歳の子供がいました。強毒性菌により強い鼻炎が起 こったとき、インフルエンザにも罹った子供です。抗インフルエンザ薬を服用し一時治まったようにみえたが、多量の鼻汁の治療をしなかったために鼻汁の中に 残っていたウィルスが再度増殖して、2度目のインフルエンザにかかったとかんがえています。洗浄をしていたならば、ウィルスの再増殖はおこらなかったで しょう。

アデノイド肥大のための処置としても、洗浄は大切です。呼吸困難、いびき、睡眠障害などを1,2歳で訴える子供は、それらが鼻炎 とアデノイド肥大によって起こっていることが多いでしょう。その場合でも、鼻洗浄と有効な抗菌薬の投与で症状を消失させることができます。アデノイド切除 をすすめられていることがありますが、切除しなくても治すことができます。

②耳管通気法-1歳から行っています

乳幼児期から中耳炎をくり返していると、鼓膜の緊張性が失われ、難聴になることがあります。
今中耳炎がなくても、中耳炎をくり返していた子供の中に耳管狭窄が残っている子供が少なくありません。多くの場合、鼻洗浄と耳管通気療法を行うことが必要です。そうすると、耳管通気度が正常に戻り、鼓膜の緊張性が回復して難聴が治ります。

③神経・精神症状

頭痛、集中・記憶・思考低下、眠気、嗅覚低下

鼻 炎、副鼻腔炎、耳管狭症、中耳炎、アデノイド肥大などがある子供では、多くの場合これらの症状をもっています。洗浄などの治療後これらの症状が消失する と、別人のように活発になります。これらは耳鼻科の病気の症状の中で、見過ごすことができない症状です。大人でも現れますが、体力がない子供では特に症状 が強く現れます。